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「フリースクール・ぱいでぃあ」の教育理念
①「ぱいでぃあ」と遊学統合
 フリースクール・ぱいでぃあとは「遊学統合」を基本理念とするフリースクールです。「遊学統合」とは何でしょうか。もともと子どもの活動では「遊び」と「学び」は同根のものです。「遊び」と「学び」との明確な区別はなく、遊んでいることがそのまま学びとなっています。この「遊び」(パイディア)と「学び」(パイデイア)を統合した「新しい学び」の方法を「ぱいでぃあ」と名付けました。
 ところが、学校教育の中では「遊び」と「学び」は分断され、あたかも必要悪のような扱い。さらに早期教育の考え方では知育偏重の傾向を一層強めています。
 その結果、子どもの「遊び」と「学び」の結びつきに無理が生じ、健全な成長が阻害され、多くの子どもたちが様々な問題を抱えて苦しむようになってきました。
 そこで、フリースクール・ぱいでぃあでは、「遊び」と「学び」の再統合を図る「遊学統合」の教育方法を基本理念とし、子どもたちが「遊び」を通して自主的に人や外界と関わるように、「学び」においても自主的・主体的に取り組めるように子どもを育てていきたいと願っています。

■遊び・学び・仕事(Play,Stady,Work)“私”から“公”へ
「遊び」と「学び」の再統合
 学校教育の中で「遊び」と「学び」が分断されたことで、学校教育での学び(知
の営み)はとても貧しくなりました。敢えて「生きる力」が叫ばれる所以です。そ
れでも学校での学びの質が向上した様は一向に見えては来ません。
はじめに「遊び」があった
 
遊びは子どもの活動と学びの原点です。人間活動の根源にはいつも遊びがあったのです。『ホモルーデンス』の著者ホイジンガは「全ての人間的営為は遊びから始まった」と言っています。まさに至言です。
「遊び」から「学び」へ、「私」から「公」へ
 
play-study-work…一見恣意的な「遊び」の行為はやがて「学び」へと結びつき、さらに「仕事」へと繋がって行きます。遊び―学び―作業、そこに人が喜びを覚えるのは、それが「公」(Public)に繋がる行為だからです。人は遊びを通して「公」の人間となります。でも日本の教育は「公」との繋がりを断ってしまいました。
どうぐりのヤジロベエ 遊びと学びは同根のもの             
自主性、参加、協調、共感、役割、責任…
  関わりの知恵も遊びで身につける
      子どもは遊びを通して学び始める
          子どもは遊びを通して人になる

  
 
 遊びは作業・仕事の活動に広がる
 仕事の出来る人は遊びもうまいという
  でも、聞くとやるとは大違い 論より証拠
 楽しさも難しさもやってみなければ分からない
 体で理解することはとても大切だ
   五感を通して人は知る
ペーパークラフト作品 
②フレネ教育法…子どもを主体にした学びの方法
 フレネ教育法(学)は、フランスの公立学校の教員であったセレスタン・フレネが創始した子どもの教育の実践を集約したものです。それは「はじめに子どもありき」と呼ぶに相応しい教育法で、学びの主体としての子どもを中心に置き、個人の自立と集団との関わりを重視する教育方法です。ですから、時の政府の都合に合わせた国家主導の教育ではありません。また、ある教条的な特殊な教育理論に子どもたちを従わせるような教育法でもありません。