ぱいでぃあ活動について
 ホームスクール等で学ぶ子ども達に自由な活動を
■洋の東西を問わず、「教育の原点」はホームスクールにあります。西洋では近代以前、学校らしきものは寄宿舎制のものが大半を占め、自宅で家庭教師を付けて教育することも多かったようです。日本の場合には、平安時代には宮廷文学が栄えたように、そういう人材を生み出す教育が豪族等の家庭には既にあったようです。
 でも、それが可能だったのは今で言うところの富裕層の家庭の人たち。「子どもの発見」者とされるジャン=ジャック・ルソーも一塊の家庭教師でした。日本の場合には、江戸時代に武士などは藩校で学んだようですが、庶民の多くはその頃多数存在した寺子屋で学んでいました。
いずれにせよ子弟の教育はまずは家庭から、民の教育として始まったということは教育を考える上で見逃せない点です。

■日本の場合、近代の学校教育が始まるのは
明治5年の学制発布とされます。しかし、それは必ずしも国民の教育の始まりを意味しませんでした。まず何よりも近代国家を維持発展させるのが最優先課題であり、そのための人材育成であったと言えます。その結果、家庭での教育を第一と考える人達から激しい反発があったのは当然だったかも知れません。
 また、第二次大戦後においては、日本が敗戦から立ち直り高度成長路線に突入していく中で、教育にも進学に傾斜する一層大きな負荷がかかりました。一方には欧米の文化に目を開かれた人々の間で個性を尊重する風潮が高まり、そういう中から正規の学校には通わず、
フリースクールやホームスクールで学ぶ子ども達を多く生み出すことになりました。
 ただし、
日本の文部科学省は学校教育法の規定により義務教育を家庭で行うことを原則認めていませんでした。ですから、それは学校外の教育活動として、それがどれだけ意味ある活動であれ学校教育とは看做されませんでした。

■本来、
義務教育の義務とは子どもが学習する機会・権利(学習権)を保証するという意味。ですから、何らかの事由で子どもが学校に通うことを望ます家庭で勉強することを希望した場合には、英米等の場合とと同じように、日本でもホームスクーリング等の学校外教育を行うことは可能なわけですし、それは子どもの教育を考える親としての当然の行動でもあるわけです。現在、日本でもまだあまり表立った活動にはなっていませんが、一定の人達がホームスクールという形で勉学を行っています。
 しかし、ホームスクール、ホームエデュケーションという形で学ぶ子どもたちは
社会から十分な理解が得られず孤立しがちな傾向にあるのも事実です。そういう中でも敢えてそういう教育に踏み切る方々には、一方に学校教育の枠を超えた学びを志向する富裕層を中心とした人達と、経済的に余裕がなく外部の教育機関等との接触を絶って社会参加が難しくなるケースも多いようです。特に日本の場合には経済活動も閉塞化する中で後者の場合が圧倒的に多く、深刻な問題となっています。

■教育は時代によって変化しますが、教育の持つ大きな使命として、時代の要請に従い時代に相応しい人材を育成していくということがあります。国が多額の税金を投入し、大多数の国民の様々な要望や批判に応えながら公立学校を営み、国民に学業を授け、将来の社会に適応できる社会性を身に付けさせた人材の育成に励んでいるのもそのためです。小中学生時代という義務教育段階の子ども達の育成には基本的な費用は国が引き受けるという形で、義務教育無償の制度をとっているのもそのためです。
 しかし、現実には、
不特定多数の子ども達を受け入れる学校で、様々な問題が生じています。生徒間のいじめ教師による体罰だけでなく、「学業不振」の子どもがいる一方で浮きこぼれ」と呼ばれる子ども達もいます。学校を離れた子ども達が現在でも12万人に上りますが、その生態は一様ではありません。

しかし、全体的に言えることは、一部の経済的に恵まれた富裕層のホームスクーラーの場合は別として、日本でのホーム・エデュケーションの場合には学業はともかく社会性を涵養するには十分とは言えない場合が多いということです。特に、ホームスクールを積極的に選択した子ども達ではなく、学校での嫌な出来事等が原因で通学できなくなってしまったような場合には、家に引きこもり、ほとんど外部との接触を絶ってしまうことの問題が深刻です。
 英米等の場合であれば、そういう子ども達を支援する多くの機関や施設が存在し、社会的な受け皿がそれなりに用意されているようです。しかし、学校に行くことが当たり前とされる日本の場合には、本人の事情や親御さんの考えがどうであれ、子どもは何か悪いことでもしているように引け目を感じることが多くなりがちです。同じ不登校、ホームスクールとは言っても、それを受け入れる社会の側に大きな違いがあり、それは用意には縮まらないだろうと感じられます。

■そこで、「フリースクール・ぱいでぃあ」では、毎日ぱいでぃあに通ってくる子ども達をとは別に、その一部の活動をホームスクーラーの人達に開放し連携することにしました。具体的には、
週3回の午後の「ぱいでぃあ活動」をホームスクーラーの子ども達に「ぱいでぃあ広場」として開放します。そして、フリースクールの活動と連携する形で、ともすると引きこもりになりがちなホームスクーラーの支援活動を行いたいと思います。
対象は、私立・公立の小学校・中学校に在籍する子ども達。NPO法人の会員となり相互支援の仲間となってもらう中で、フリースクールの子ども達と交わることになります。

■「ぱいでぃあ活動」の概要

▼少なくとも週3回(例:毎週:月・水・金の午後1〜午後4時)の活動に参加


 ●社会参加に向けた身体活動や感性を培う活動を中心に、教科学習(座学)も取り入れます。
 ●アウトドア&インドアの活動があります。(詳細は別途)
 ●バドミントン・卓球・その他の野外スポーツ、遠足、社会体験学習、絵画、音楽、工作、言語表現、ゲーム活動…
  ※NPO教育ニコラの会員が利用するシステムです。
  ※親御さんも、一般会員か賛助会員ご参加ください。
▼希望者は、フリースクール・ぱいでぃあの5日コースに変更できます。(教科の比重が高まります)

※「不登校」への対応は、立場や考え方によって、またお子さんの状況によって一律ではありません。
 ・学校関係者は何より学校への復帰を望みます。そして、学校に復帰すれば安心・大丈夫と思います。
 ・民間の場合はさらに多様です。教育施設運営者と親御さんでも違います。
  ・親御さんは子どもが元気に立ち直り、学校に復帰できれば一番いいと思います。
  ・施設運営者はもっと様々。早期の立ち直りを望む者から営業の観点を第一になるべく長くいてくれことを望んだり---.。
  ・「ぱいでぃあ」の場合は、親御さんの立場でも経営者の立場でもなく、なるべく「子ども本人」の立場に立ちたいと思います。
  ・でも、渦中のお子さんには自分の実像さえよくつかめていません。
   それで安易に周りに合わせ、それが自分の意見だと思い込むことも出てきます。
   「ぱいでぃあ」では、お子さんが周りの雑音に惑わされず自分の思いをつかみ、自分作りに励むことを大事にします。
   そのためには、心も、感覚も、知能も身体も大事です。そのための支援をさせていただきます。
   お子さんが自分を肯定し、生きる喜びを享受し、「不登校もいい経験になった」と明るく言えるようになるために。

詳細は、ぱいでぃあにお尋ねください。(048−829−9178  携帯:緊急080−2152−8513)