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不登校になった小学生のお子さんのいるご家庭のために 
【前書き】
 「フリースクール・ぱいでぃあ」は小学校や中学校の不登校の子どものいるご家庭に寄り添い、支援活動を行ってきました。
 日本で最初の月刊の不登校専門誌『二コラ』を掲げて活動し始めたのが1995年、そしてフリースクール・ぱいでぃあを立ち上げたのが2000年ですから、もう随分と試行錯誤の年月と経験を積みました。
 その間、一方では雑誌で不登校の子どものいる現場から情報を発信すると共に、親の会の活動、教育シンポジウム&講演会、各種相談会、東京・埼玉での不登校団体を集めての教育実践報告会などを展開してきました。
 そして、その過程を通して、逆に不登校の子どもたちからたくさんのことを学ばされました不登校の子どもたちが実に多様なことを私たちに教えてくたのです。不登校は教育界の「炭鉱のカナリヤ」の側面を持ち、現在に至る学校教育の危機を先取りしている面もあります。
 そういう子どもたちから学んだ数々のことを貴重なレガシーとして、今度は逆に今悩まれているご家庭のために生かしたいと思っています。
 ■何らかのきっかけで、あるいは理由らしい理由もはっきりしないまま、学校に行くことを渋り始めたり、もう学校に行くことを止めてしまった子どもたち。そしてそれに当惑する親御さんたち。不登校のお子さんのいるご家庭でよく目にする風景です。

■小学生のお子さんのほとんどは、親御さんが「どうして?」と尋ねてもまだ自分の言葉で十分に説明することができません。そこで大人の立場であれこれ考えることになるのですが、本当にお子さんの気持ちを理解することは難しいものです。自分は人生の先輩という思い込みからか、どうしても出来合いの知識や理屈でお子さんを理解した積りになりがちです。
 敏感な子どもは、そういう親御さんや教師の実の伴わないその場しのぎの間に合わせの言葉に鋭く反応し、逆に大人への不信感を強めてしまうこともあります。

■学校を離れた小学生の子どもたちに一番必要なのは、教科学習よりは体験学習や体感による自尊感情の涵養なのです(ぱいでぃあでもこれを最も重要視します)。やはり親御さんにとっては学校での勉強の遅れが最も大きな心配事であろうかと思います。そこで、簡単ではありますが、それに対する基本的な関わりについて触れてみます。

◆小学校での学習においては、基本的に学校の教材も使いますが、補助学習・発展学習として、紙以外の学習教材を様々な形で導入します。「勉強」というよりは「学習」という考え方です。
 その一環として、「スマホ・タブレット学習」も積極的に取り入れます。
 ただし、学年や成長の度合いに応じて発達課題が異なります。本人とよく話し合い、本人の納得の上で進めることがとても大事です。
◆学習の方法や進度は、本人との共同作業でやる気を引き出し、目標の確実な達成を行います。
◆インターネットを利用した本人とのやり取りを重視します。
 スマホかタブレットかパソコンがあれば、自宅で居ながらにして学習できます。
◆不登校や学校外教育に対応したフリースクール活動での豊富な経験を活かした指導を行います。その過程で生じる様々な疑問や質問等にも適宜対応していきます。お子様の最善のために。
◆因みに、教科学習は無学年式を採用しています。学年相当分に問題のない生徒はその学年を、教科に苦手意識のある生徒には躓いたところまで引き返して学びを組み立てます。もちろん、教科学習の得意な子は先取り学習や飛び級をしたっていいんです。
◆また、教科学習よりも他の学びに重点を置きたい子の場合には、教科学習とは違う学びの教材を用意し、自主的な学びをどんどん発展させていきます。
 そういう支援の結果、 卒業生の中からは国立や私立のトップ大学に進んだ子ども達もいます。
 小学1年生 いよいよお子さんの「勉強」が始まり、親御さんの最大の関心事になります。でも、そのお子さんが学校での活動に喜びを見いだせず、学校に行き渋っているとしたら…。まずはお子さんの気持ちを第一に考えてあげてください。この段階の学びは後から幾らでもやり直し学習が可能です。
◆「国語」が一番多く、次いで「算数」、そして「生活」「体育」、「音楽」「図工」と続きます。
 教科学習は国語と算数で、社会・理科の前段階として生活で生じるいろいろな不思議を考える生活科となります。
 ぱいでぃあでもこれに順じます。
小学2年生   小学2年生の不登校は、1年生からの延長と、2年生になってさらに強化されるものがありますが、両者に決定的な違いはありません。2年生になってから不登校になった場合も、元を辿ればだいたい1年生の時にその萌芽があり、2年生になってからもう耐え切れずに不登校になったというのがほとんどだと思います。
 ですから、親御さんにとっては意外な初めての我が子からの告白かもしれませんが、お子さんにとってはもうぎりぎりの思い余っての告白であることに留意してください。
◆1年生の時よりも授業時数は増えていますが、基本的な教科学習は1年生の時から大きな変化はありません。
小学3年生   小学3年生になると、国語や算数の次に大きな比重を占めていた「生活科」が「理科」と「社会」に変わり、体験型の理解から知育重視の色彩が鮮明になります。一方では「総合的な学習」の時間も加わりますが、本格的な小学校での勉強が始まったという印象です。
 でも、健全な育ちのためには、あまり知育に偏らず体験学習を含めた幅広い理解が求められます。
◆「国語」と「算数」が教科学習の中心という位置付けは変わりませんが、身の回りの事象を「理科」や「社会」的な観点から理解するということも大事です。
 教科の理解もそれに沿って行います。重点はやはり「国語」「算数」の理解です。
小学4年生   小学校段階の勉強がしっかりと身に付いているかどうかを見極める大事な時期です。もし、ここまでの勉強で遅れが見られるような場合には、ここで振り返り学習をやってみて、穴埋めしておくといいですね。
 逆に言うと、この段階から国語でも算数でも具象的思考と抽象的思考の分岐が始まり、中学受験を考えるような生徒の場合には4年生の後半からそういう目標を視野に入れた勉強も始まります。
◆教科学習の分配で見ると「国語」や「算数」は3年生の持ち上がりで、「理科」「社会」的なものの考えからが重視されていることがはっきりと分かります。
 小学5年生  小学校での発達段階を大きく分類して、1・2年生を小学年、3・4年生を中学年、5・6年生を高学年と呼ぶ言い方もあります。5年生は小学校生活では高学年に属し、身体的にも知能の発達の面でも大きな飛躍が見られ、大人に大きく近づいた側面が見られます。そして、興味関心の世界が広がり、勉強の面でも大きな変化が見られます。
◆「算数」は変わりませんが、「国語」や「体育」の授業が減り、代わって「外国語」学習活動が入ってきます。でも、基本的に音声による理解で、文字の学習はありません。
 小学生時代の勉強として一番大事な勉強がなされる時でもあります。もし、小学年や中学年の時の勉強に不安がある場合には、振り返り学習が必須かもしれません。
 また、将来の中学受験を考えている場合には、最も集中すべき時でもあります。
 小学6年生  いよいよ小学校で最上位の学年です。日本の学校の場合、年齢主義で進級しますので、基本的に留年はありません。出席日数や学業の如何にかかわらず、全員が中学校へと進みます。
 小学校生活の総仕上げの時でもあり、勉強が高度にもなります。中学校への進学の心の準備も必要になります。
 フリースクール・ぱいでぃあでは、すべての子がそれぞれの持ち味を存分に発揮されるようお手伝いします。将来、「不登校があったから今がある」と言えるように。
◆「国語」「算数」「理科」のウエイトは変わりませんが、「社会」の重要さが3・4・5・6年と進むにつれてアップしています。子どもの心の成長や社会的関心の広がりに即応したものと考えられます。
 ただし、「国語」や「算数」は積み上げ教科の色彩が強く、小学校時代に理解すべきものはその時にしっかりと覚え、先送りしないことが必要です。それに比べて、他の教科は、例えば「理科」「社会」「外国語」「体育」等は、中学に進学してからも十分に再挑戦できる機会はありますから、それほど心配する必要はありません。
 ただし、私立中学等を受験する生徒の場合には、学校での受験勉強の支援は期待できませんから、どうしても親子でのスクラムを組んだ取り組みが必要になります。そして、年が明けた1月や2月に中学受験の入試が待っています。
 いずれにせよ、小学校生活に禍根を残すことなく、充実した小学校時代を過ごしてください。これは、学校には行っていない不登校の子どもの場合も同様で、ぜひ学校に行かなかったことで得られたメリットを大事にして先に進んでください。